閉店した大型コインランドリーに遭遇…失敗の原因とは?

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閉店したコインランドリーに遭遇!

2018年2月の週末、家族で近隣の公園までサイクリングに出かけました。
その道中に、遭遇してしまいました。

24時間営業 大型コインランドリー」という看板にも関わらず、固くシャッターが閉まっている店舗。コインランドリーの売上が上がる週末、しかも3連休で大物洗いが期待できるのに。そもそも24時間営業ならば、1秒もシャッターが閉まる事はないはず…そうその店は完全に閉店していたのでした。

フランチャイズではなさそうな看板には古さは感じないので、この1~2年以内にできた店舗だと思われます。開業直後の赤字期間に耐えられなかった無念の撤退でしょうか…。

ただ、しばらく立ち止まって立地を見回すと、この閉店は避けられなかったと思った。

失敗した理由

  • 片側2車線の幹線道路沿いで、交通量が多く手軽に駐車ができない。駐車場もない
  • コンビニ並みの間口で過剰投資だった(機械構成は不明だが、大型という看板から推測)
  • 店舗の上が住居ではなく、テナント(学習塾やオフィスなど)
  • 隣の店舗がこってり系のラーメン屋
  • 幹線道路沿いなので家賃が高い(推測)

大型にするならば、広くてアクセスしやすい駐車場か、前面道路が短時間の路駐なら許される生活道路であることが大切。路線バスが頻繁に走る様な幹線道路では、よほど神経が図太い人じゃないと路駐はできない。

また、角地ではないので、ガードレールに切れ目がなく、跨がないと店舗に入れない。大物洗濯物を抱えて、ガードレールを飛び越えられる人はそうそういないだろう。

逆に、都市型の小型店舗を狙うのであれば、洗濯機への過剰投資は禁物となる。特に高額な全自動洗濯乾燥機を何台も入れてしまうと投資回収は難しくなる。また回転率も悪い。この店はコンビニ並みの広さだったので機械だけで2500~3000万円近い投資になった可能性もある。

都市型の場合には洗濯物を持って歩いてこられる客層に、固定客になってもらわないといけないが、この店舗は入居するビルに住人がいないという致命的に残念なポイントがある。

さらに、隣のこってり系のラーメン屋から漂ってくるラードの臭いを感じつつ、洗濯したいと思う若い女性はいるだろうか…。

また幹線道路沿いなので固定費となる家賃が高かったと思われる。さすがにこれだけの悪条件が重なってしまうと収支はかなり厳しかっただろうと想像できる。

コインランドリーの面積当たりの売上効率は高くない

コインランドリー投資は、楽して儲かると思っている人が多いけど、決して不労所得ではなく掃除や顧客対応が必要な事業経営です。それにお客さんから頂く100円玉を1枚1枚積み上げて1000万円以上の初期投資を地道に返していくというかなーり地味な日々が続きます。

コインランドリーの売上が月60万円!と聞けば「すごい!」と感じるけど、同じ面積のコンビニだったら60万円は1日の売上にも満たないですから。

つまり人件費や売上原価は別にして「店舗面積当たりの売上効率」だけを見ると効率は良くない商売なのです。なので賃料が掛からない様な場所や狭小店舗であればまだいいですが、他の商売もできる様な広さの賃料の高い場所への出店は、想定できる売上とのバランスが取れるか、に特に注意が必要です。

都市部の大型コインランドリーの末路を見てしまった、そんな連休でした。

経験あるコインランドリー機器の販売会社だったら、このくらいの予想はついたはず。
この場所は厳しいですよ、って誰か止めてあげようよ!」という気持ちになる。
「夢の跡」の無残な姿に、隣にいた妻も言葉少な…。オーナーさんの傷が浅い事を祈ります。

 

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