例年であれば、穏やかな秋晴れに恵まれる印象の10月ですが、令和元年の10月は大荒れでした。
大荒れの主役は、10月12日に日本に上陸した台風19号です。関東、甲信、東北地方の広範囲にわたって大雨による甚大な被害をもたらしました。
台風19号は、一時は中心気圧915hpaという猛烈な勢力に成長した上に、平年より海水温度が高い近海からエネルギー源の水蒸気を取り込んだため、長時間にわたり強い勢力が維持されてしまいました。名前はハギビス(意味:すばやい)でしたが、実際の移動スピードはとても遅く、長時間に渡って大量の雨が降り続くことになりました。
本州全体が収まってしまう程の巨大な雲。最強レベルである「カテゴリー5」のスーパータイフーンです。
上陸前から関東地方の太平洋側を中心に、甚大な被害が予想されており、ニュースでは「まずは命を守る行動」を取るように繰り返し警告されていました。地元のハザードマップを確認すると、1時間に50mmを超える雨が数時間降るとアウト!排水能力が追い付かずに都市型水害が起こり、その後も1週間ほど浸水が続く可能性があると予測されています…。台風19号の勢力からすれば1時間に50mmなんて余裕で超えてしまうでしょ…。
ど、どうしよう。コインランドリー店舗にとって、最大のピンチ到来です。
店が水没して機械が故障したり、営業ができなくなった場合には保険でカバーできることは確認済です(参考:度重なる自然災害!コインランドリー店舗の補償範囲は?)でも、できるだけ被害は少ない方が望ましいに決まっている。そこで僕は決断しました。
終日、臨時休業にする!!
天候が悪化してお客さんが帰れなくなったら安全確保が難しくなるし、店舗の電源が落とせないので浸水したら漏電のリスクにもなる。そもそも店を開けたら事前の浸水対策ができない。
「もし、お客さんが来てくれたのに、閉まっていたら申し訳ないな」という気持ちも頭をよぎりましたが、リスクを最優先に考え、潔く終日、臨時休業にすることに決めたのでした。自分でできる範囲の対策をし、あとは祈るだけです。
それでは、東京圏の天気はどうだったのでしょうか。天気実績です。(先月9月はこちら)
台風が直撃したのは、9月12日(土)です。食料や燃料を確保し、11日夜からテレビの前で祈りながら過ごしました。結論からすると、ウチの地域は台風上陸前の豪雨の直撃を免れ、まとまった雨が降ったのは12日当日のみでした。近隣の河川も危険水位には達しましたが、氾濫や浸水被害を何とか避けることができた、という状態です。
一方で、台風上陸前の雨雲は関東甲信越の山側に掛かり、長野、静岡、神奈川、埼玉などで豪雨災害を引き起こしてしまいました。では、実際にはどれだけの雨が降ったのでしょうか?
順位 | 都道府県 | 地点 | 観測値 | 現在観測を実施 | |
---|---|---|---|---|---|
mm | 起日 | ||||
1 | 神奈川県 | 箱根 | 922.5 | 2019年10月12日 | ○ |
2 | 静岡県 | 湯ケ島 | 689.5 | 2019年10月12日 | ○ |
3 | 埼玉県 | 浦山 | 635.0 | 2019年10月12日 | ○ |
4 | 鹿児島県 | 名瀬 * | 622.0 | 2010年10月20日 | ○ |
5 | 東京都 | 小沢 | 602.5 | 2019年10月12日 | ○ |
6 | 静岡県 | 梅ケ島 | 597.5 | 2019年10月12日 | ○ |
7 | 神奈川県 | 相模湖 | 595.0 | 2019年10月12日 | ○ |
8 | 宮崎県 | 宮崎 * | 587.2 | 1939年10月16日 | ○ |
9 | 三重県 | 尾鷲 * | 586.5 | 2017年10月22日 | ○ |
10 | 埼玉県 | ときがわ | 572.0 | 2019年10月12日 | ○ |
11 | 宮城県 | 筆甫 | 558.0 | 2019年10月12日 | ○ |
12 | 東京都 | 小河内 | 556.0 | 2019年10月12日 | ○ |
13 | 埼玉県 | 三峰 | 549.0 | 2019年10月12日 | ○ |
14 | 宮崎県 | 青島 | 539 | 2001年10月16日 | |
15 | 山梨県 | 南部 | 532.0 | 2019年10月12日 | ○ |
〃 | 和歌山県 | 新宮 | 532.0 | 2017年10月22日 | ○ |
17 | 静岡県 | 御殿場 | 529.0 | 2019年10月12日 | ○ |
18 | 東京都 | 大島 * | 525.5 | 2013年10月16日 | ○ |
19 | 静岡県 | 天城山 | 519.0 | 2019年10月12日 | ○ |
20 | 神奈川県 | 丹沢湖 | 518.0 | 2019年10月12日 | ○ |
出典:気象庁 歴代全国ランキング(日降水量)
トップ20の観測拠点の中でなんと14か所において、台風19号が上陸した2019年10月12日が歴代トップの降雨日の記録を塗り替えています。これだけ広い範囲に記録的な大雨被害をもたらしたことからも、台風19号の巨大さが伺えます。
降雨量トップの箱根に至っては1日で922.5mmという飛びぬけた降雨記録となりました。これはあくまでも10月12日の1日の降雨量なので、台風接近前からの雨との累計では1,000mmを超えています。1,000mmって1mですからね。土地の高い所に降った雨は低い所に流れるので、低い場所には当然2m、3mの水量が押し寄せてくることになります。崖ぐずれを誘発し、地形すら変えてしまい、すべてを飲み込んでしまう水害の恐ろしさには、戦慄せざるを得ません。
また、10月25日付近には、発達した低気圧による更なる豪雨被害が発生しました。特に千葉県は台風15号の暴風、19号の豪雨、そして低気圧による豪雨災害と受難の年になってしまったことが心が痛みます。
被災者の皆様には、本当に心よりお見舞いを申し上げます。
さて、それでは実績報告です。
対目標売上額:162.40%(対前年同月+28.5%)
稼働率グラフ:乾燥機が青い線、洗濯機が茶色の線
台風一過の13日は晴れましたが、それ以降は太陽が顔をみせないぐずついた天候が続きました。そのため19、20日の週末は乾燥機を中心に高い稼働率となりました。雨が多かったので堅調な実績となりますが、その雨で被害に遭われた方もいるので、正直非常に複雑な心境です(ブログの更新が遅くなった理由でもあります)
今年は、何とか被害を免れることができましたが、今後、いつ被害にあうか予断を許しません。このまま地球温暖化が進んでいけば台風19号と同レベルの台風が、毎年日本を直撃してくるのが当たり前になるかもしれません。来年、そのまた来年の台風シーズンを無事に乗り越えられるのか…、今から不安でたまりませんが、今回の「考えうる万全の準備をして災害に備えた経験」を今後に活かして、家族の生命と財産を守っていかねば、と思っています。(11月はこちら)
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