全国で相次ぐコインランドリー窃盗事件!お店側に自衛策はあるのか?

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全国で相次ぐコインランドリーの両替機窃盗事件

今年に入ってから、コインランドリー店の両替機を狙った窃盗事件が数多く報道されています。弱小コインランドリー経営者としては、おいおい明日は我が身かと、気になるニュースでした。

どうやら首都圏を中心に犯行を繰り返していた容疑者2名は、11月に入って別の事件がきっかけで逮捕された様ですが、一連の報道を観て「これなら俺でもできそう!!」と考えちゃった模倣犯による被害が全国にも広がっている様で、油断はできません。

コインランドリー経営者としては、この両替機窃盗という犯罪にどうしたら対抗できるのか、考えてみたいと思います。



そもそも両替機窃盗とは?

コインランドリーの洗濯乾燥機械は、100円玉を投入して動かします。1回1000円を超える様な全自動洗濯乾燥機の場合には、500円玉にも対応していますが、世の中に出回っている大多数の機械を動かすには100円玉が必要、と言ってよいでしょう。

全てのお客さんが100円玉を用意して来店される訳ではないので、店内には1000円札から100円玉への両替機が必要になります。

昔ながらのコインランドリーの中には両替機を置かずにジュースの自動販売機を置いてしまい、「100円玉が欲しかったらジュース買いな!」という、謎の上から目線の店舗もありますが、そういう店はもはや長続きしないでしょう。基本的に両替機は店舗側で用意すべき、基本設備になります。

コインランドリーは基本的に無人経営だというところに目を付けた悪人が、この両替機を無理やりこじ開けて、中身の現金を奪っていく、それが一連の窃盗事件です。

今回の窃盗団の報道があってから、知り合いから「君のところも大丈夫?」というご心配を頂きました、一方で「両替機の中ってそんなにお金が入っているの?」という質問もありました。

1件の窃盗で90万円余りが被害にあっているなんて報道されているので、そもそもそんなに現金が入ってるもんなの?という疑問が沸く気持ちはわかります。



両替機の中の現金は一定で、売上金はそれぞれの洗濯機械に溜まっていく

冷静に考えると判ると思うのですが、両替機の中にある現金の総額は一定なんです。1000円札が投入されると、100円玉が10枚吐き出され、紙幣をコインに等価で交換しているだけなので、両替機の中の金額は常に同じ。例えば両替機に30万円分の100円玉を入れてスタートし、その100円玉が0枚なった時には、30万円分の1000円札になっている、ということ。これは繁盛店だろうが、赤字店舗だろうが一緒です。

それでは両替機の中に入っている金額に差がある理由は何かといえば、単純に両替機の容量の大きさと、どれだけの100円玉の在庫を入れておくかというオーナーの判断です。

容量が大きな両替機であれば、それだけたくさんの100円玉が格納できるので、2~3週間くらい放置しても100円玉切れになる事態を避けることができる一方、多額のお金を置いておくことになるので、窃盗された時のダメージは大きくなります。

コインランドリーの売上金は、両替機ではなく各機械のコインボックスに100円玉で溜まっていきます。オーナーは時々お店に来ては、各機械から1台ずつ100円玉を回収して、両替機にそれらの100円玉を戻します。その時、同時に両替機に溜まった1000円札を回収するのです。

ちなみに、各機械から回収した100円玉を単純にすべて両替機に戻すと、両替機の中の100円玉が多くなったり、少なくなったりします。

これも当たり前で、お客さんによって、100円玉は店の外からやってきたり、店の外に持ち出されたりするからです。例えば300円の洗濯機を利用するお客さんがちょうど300円を持っていた場合、この300円は外からやってきますので、店全体(機械+両替機)の100円玉は3枚増えます。

一方で、300円がなかったので1000円を両替して洗濯機を300円で利用し、700円を持ち帰ると店全体の100円玉は7枚減ります。こうやってほとんどの100円玉は店内に留まりますが、一部は外から来たり、出ていったりして世の中を巡回していくのです。

そのため、両替機の中に溜まった1000円札は、それだけの100円玉を両替したという事実を示すだけで、決して売上金額とイコールではない、というのが注意点です。

・両替機の中の現金総額は、100円玉の補給や1000円札の回収をするまでは常に一定である

・売上金は、各機械のコインボックス中に溜まっていく。両替機に溜まった1000円札は売上ではない。



マルチ端末が被害を大きくしてしまった

前置きが長くなりましたが、知り合いからの質問「両替機の中ってそんなにお金が入っているの?」に戻ります。これまで説明してきたように、両替機の中の現金総額は一定なので、被害者のオーナーが90万円もの両替用の100円玉を両替機に入れていたのでしょうか?

残念ながら、一連の窃盗事件では両替金だけではなく、売上金も奪われてしまっています。

その理由は「マルチ端末」です。

2枚の写真はそれぞれ被害にあった別の店舗ですが、犯人が火花を散らしてロックを切断し、開けようとしている大きなタッチパネルが付いた青い機械がマルチ端末です。その名前の通り、両替機を超えた以下の様な複数の機能を備えています。

  • 機器の運転操作
  • カードの新規発行・チャージ・ポイント交換
  • 支払い(現金・カード)
  • 現金支払い時のおつり対応
  • 領収書発行
  • クーポン発行・使用
  • QRコード決済(将来対応予定)

マルチ端末設置店では、お客さんは各機械に100円玉を入れて機械を動かすのではなく、このマルチ端末のお金を入れて各機械を動作させます。つまり、売上金もすべてこのマルチ端末に溜まっていく仕組みになっているのです。

マルチ端末のない従来の店舗であれば、売上金を奪うには各機械のコインボックスを1つずつ破壊していかないといけませんが、この店舗ではマルチ端末を1つ破壊すれば、売上金を根こそぎ奪えるのです。また、このマルチ端末は開口部が大きいのでテコの原理も働きやすく、金属製のトビラも薄いので映像の様に数分でこじ開けられてしまっています。

この弱点に気が付いた犯人達は、強固な防犯対策が取られる前に同じ仕様で展開しているチェーン店を集中的に狙い撃ちして、荒稼ぎしたのだと思われます。

無人店には防犯対策された両替機を!

じゃあ、マルチ端末じゃなければ被害に遭わないのか?というとそんなこともないようです。こちらの動画は兵庫県宝塚市で発生したコインランドリー窃盗事件ですが、なんとこの店舗はすでに2回も窃盗被害にあっていて、これで3回目の被害だということです。

映像の冒頭や最後に出て来た破壊された両替機の映像のご注目ください。

〇で囲んだ両替機の右側のシルバーの部分は、ドリルで鍵穴を壊され扉を開けられるのを防ぐための鍵穴ガードですが、この両替機は反対側のヒンジ部分(本来は開かない方)からこじ開けられてしまっています。これでは鍵や鍵穴ガードがまったく意味ありません!

犯人が逃亡する様子を見ると、両替機の中の箱ごと持ち去っています。これは1000円だけではなく両替用の100円玉も狙って窃盗していると思われます。

売上ではなく、オーナーが入れておいた両替用資金(常に一定額)を狙った犯行であり、犯人からすればいつ窃盗に行っても、売上に関係なくある程度同じ金額が手に入る状態です。

人がいるショッピングセンターのゲームセンターや、子供向けのガチャガチャコーナーであれば、この程度の仕様の両替機で十分でしょうが、無人運営を前提とするコインランドリーでは、多少値が張ったとしても、十分な防犯対策がされた頑丈な両替機を導入するべきだと思います。



コインランドリー店ができる対策とは?

全国で発生しているコインランドリー窃盗について考えてみました。個人レベルのコインランドリー店ができる対策としては主に以下が挙げられると思います。

  • 高解像度の防犯カメラを複数台導入して抑止力を高める(店外の駐車場にも)
  • 防犯対策がされた丈夫な両替機を導入する(破壊に15分以上は掛かりそうなモノ)
  • 小型の両替機にして、頻繁に1000円札を回収する(窃盗の魅力度を下げる)
  • 夜間に人通りが見込めない場所であれば、24時間営業をしない
  • 万が一に備えて損害保険に入る
コインランドリー店舗保険会社の証言
コインランドリー開業にむけて、業界関係者の色々ヒアリングや相談をしています。 今回は、コインランドリー店舗保険の営業マンの証言です。

また、そもそもメーカーは、このようなリスク増加要因となるマルチ端末を販売するのであれば、十分な防犯性能や抑止力を有した機械を開発して、入念な検証をしてから販売すべきかと思います。

ちなみにアクアのこのマルチ端末は、定価で162万円もします。オーナーとしては両替資金と売上を奪われたのに加えて、多額の設備投資をして導入したばかりの機械を壊されたのも、精神的ダメージが大きいかと思います。

被害者オーナーの皆様、心中お察しいたします。

このような犯罪者が一刻も早く逮捕され、一般の善良な市民が安心して暮らせる環境になることを切に祈りたいと思います。

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