無料コインランドリーなんて成立するのか?(後編)

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WASHハウス 児玉社長の講演記事を読んで、コインランドリー経営について色々考えてみる、頭の体操の後編(前編はこちら)

さらに「コインランドリーは日本最大の店舗数を持てるビジネスだと思っています。それはコンビニよりも小さいスペースで経営できるから。さらに洗濯だけでなく、情報発信の基地になるような空間も目指しています。いずれは洗濯を無料化して、洗濯している間に近くのベーカリーやスーパーで使えるクーポンを発券して買い物を楽しんでもらう。情報を交換できるような場所づくりができればコインランドリーの立ち位置も変わっていくのではないかと思っています」

突然ですが問題です。企業が最もやってはいけない競争とは何でしょう?
それは……価格競争
なのでできるだけ価格競争になってしまう時期を遅らせる、ポジショニングをズラす、改良して付加価値を足しライバルが仕掛けてくる価格競争の土俵には乗らない、などの戦略が必要になる。一度、価格競争に乗ってしまえば、他社との値下げ競争に疲弊し、自社の利益率がどんどんと下がっていくことなる。よって、価格競争はできるだけ避けるべき。

WASHハウスの「無料コインランドリー」は、この価格競争の究極の形なる。つまり、特記すべき付加価値がない競合コインランドリー店からすると、無料まで下がっていく価格競争に無理やり巻き込まれてしまうのだ。…嗚呼、恐ろしい。

ただ前編で考えたきた様に、上場企業としてのWASHハウス側にもメリットがあるとは思えない無料コインランドリー。そう考えると、ある仮説が浮かぶ。

この話は、競合他社に対するただの「威嚇行為」なのではないか、俗に言う「三味線を弾いている(ハッタリ)」なのでは?という仮説。少々ウガッタ見方かもしれないが。

 新規出店を検討する競合店の立場からすると、WASHハウスの店舗の近くに出店すると、最終的には無料という価格競争を仕掛けてきて潰されるぞ。だったら、今からWASHハウスの近くに出店するのは避けよう、となる。WASHハウスとして講演の場で「うちはいずれ無料ランドリーやりますよ!」と言う口先介入だけで、競合他社の出店を躊躇させるバリアーになるのだから、競合店出店防止の費用対効果としては抜群だ。その間にちゃっかりと全国にFC展開して店舗網を広げていくのだ。(「やられたら、絶対にやり返す」と宣言しておく典型的なゲーム理論)

んん?あれれ?改めてよく記事を読んだら「洗濯を無料化」って書いてあるや。それじゃあ、乾燥機は引き続き有料なのかな??うーん、なんか騙されたようだが、それならば解らなくもない。「洗濯は無料です、ただし洗剤は200円です」とかだったら笑えるけど、まさかね。

 まぁ洗濯だけなのか、乾燥機も無料なのかはその真意は、実はどちらでもよくて、その他にも気になる点がいくつかある。業界のリーディングカンパニーなのに原価割れ営業をして、不当廉売(ダンピング)による零細企業潰しで独禁法違反になるかもしれない。加えて上場企業だから、無料化して企業の本業の利益をあえて手放すことで、利益や配当が減り株価も下がる。株主への説明責任を果たさないといけない。また直営店ならばまだいいけど、店舗の多くはFC店。出資者である店のオーナーが本業を無料化することに納得するのかどうか。なかなかめんどくさい道である。そもそもなんで無料化までしないと「地域の情報交換の場」に成れないの?という点もロジックが通っていない。

個人的にはコインランドリーの社会的な位置づけを変えて行きたいという志は賛同している。ただ、くれぐれもお客様の本来の期待を裏切らないでほしいし、業界を壊さないで欲しい。

最後に。もし無料コインランドリーを検証するのであれば、できるだけ僕の店舗から遠ぉーーーく離れたところでお願い致します!!(これは本音)

参考書籍:ゲーム理論トレーニング 逢沢明 著
僕に、ゲーム理論の面白さを教えてくれた本。古い本なのでもうAmazonでも新品では売ってないみたいです。ご興味のあるかたは中古で是非。

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