コインランドリー出店に東京下町の築古木造物件(借地権)ってどうでしょう?

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コインランドリー2店舗目の出店をめざして物件探しをしています。

取引のある不動産会社から、東京下町の築古木造物件の販売情報が入ってきました。中古の木造2階建ての店舗併用住宅です。この手の物件はあまり検討したことなかったので、これも何かのご縁と、一歩踏み込んで調べてみることにしました。

さぁ果たして、夢のコインランドリー多店舗展開はできるのでしょうか!?

物件の概要

さて、物件の図面はこちらです。

なんじゃこりゃ?ですよね(笑) 長方形が何個か書いてあるだけの落書きのような図面、これがすべてです。

というのも、この物件は借地権の売り物件であり、基本的な取引物件は「土地を利用する権利」です。建物はおまけの存在。建物の築年数は不明建物内に残置物多数あり境界線未確認、将来のセットバックの可能性あり、契約不適合責任免責という条件付き、要は「建物は現状のこのままで買ってください、後で何か不具合があっても一切文句なしですぜ、だんな」という物件です。

借地権は30年契約で、月額1万3000円。一時金で支払う必要がある権利費用は1200万円となります。30年間土地を利用する権利が1200万円で、更に地代を毎月1.3万円をお支払くださいね、というものです。あくまでも借地権なので契約期間が終わったら更新しない限り、土地と建物(その頃にあるのか?)は地主にお返しすることになります。

不動産として自分のものにならないのに、一時金で1200万円もの大金を払う価値があるのかい?と思う人もいるかもしれません。ただ、物理的な土地が欲しい訳じゃなく、その場所で商売がしたいだけなんだ、と割り切れるのであれば、土地建物の購入よりも初期投資額は抑えられるし、土地の固定資産税を払う必要もなくお得な場合もあります。

今回想定するその「お得な場合」は、この築年数不明の建物が、コインランドリーとして利用できるのか、この1点に尽きます。建物が使えない場合は、解体して更地にしてから、新規に建物を建てる必要がありますが、それでは投資額にリターンが見合わないです。

さてさて、コインラインドリーとして生まれ変わる可能性はあるのでしょうか?

コインランドリーの事業性

物件の立地は、東京下町の一角。最寄り駅から徒歩5分くらいで、周りには酒屋や床屋などの小さな商店がありますが、主には一軒家やアパートが並ぶ住宅街。いつものコインランドリー開業支援会社にシミュレーションをお願いしたところ、立地条件はランクBで、なかなか有望だという結果でした

  • 駅徒歩5分、生活道路に面している(ただし路上駐車は難しそう、基本的に徒歩・自転車)
  • 住宅街なので商圏の世帯数がそこそこ多い(商圏500mとして約4000世帯)
  • 半径500m以内に競合店はなく、あっても線路と大通りの反対側。見事にランドリー空白地帯に飛び込める形になる。
  • 想定売上は70万円/月(840万円/年)で採算性はそこそこ高い(予想)



さて、投資を検討するとなれば、この目で現地調査をしなければいけません。なので行ってきましたよ、東京下町の廃墟(失礼)に…。

外壁は茶色いトタン張りでところどころ波打っています。一部はツタが這っていて雨どいの一部は壊れ接続部分がずれていました、恐らく大雨が降ったら滝のようになってしまうでしょう。古いエアコンの室外機もさびたままそのまま放置されていて、電気・空調系は間違いなく交換です。

肝心の1階店舗部分は、以前はクリーニングの取次店舗だったようで、意外にキレイになっていました。ただ、裏の事務所部分から2階には大量の残地物が放置されていてもう廃墟感が凄まじい…。前の借主さんは、もしかしたら夜逃げだったのかもしれませんね。

何か変なモノ変な生物が出てこないかビクビクしながら2階の天井部分を入念に確認します。もしひどい雨漏りがあったら、建物自体が利用できない可能性が高いからです。幸いにも見た目上で、すぐに判るような雨漏りはなさそうでした。詳しくは業者の方に見てもらう必要がありますけど。

もう一度外にでて、建物全体を確認します。隣の家との隙間はなく、コインランドリーにするのであれば、給排気口は道路側に出す必要がありそうです。

全体的に傷んでいるので相応な修繕は必要ですが、何とか建物は利用できるかも?というのが現地調査を終えた印象です。木造2階建ての建物なので、全自動洗濯乾燥機が回ると建物が多少揺れるかもしれないけど、2階に誰か住む訳じゃないので、建物内に限れば多少の騒音・振動は問題なしです。

ふと建物の屋根の上をみると、そこにはアナログテレビ時代のVHFアンテナが…。地デジ完全移行は2011年7月だったから…、この物件って何年放置されていたのでしょうねぇ。


懐かしのアナログテレビ用VHFアンテナ

物件の写真を掲載できないのが残念ですが、東京下町ワンダーランドのちょっとした冒険気分でした♪特に、生々しい残置物があったので、人に家に勝手に忍び込んでいるかのようなあの背徳感にドキドキしました。

さて、落書きのような図面に加えて、現地調査でざっくり計測した建物寸法から以下のような機器構成になる見通しが立ちました。中型の全自動洗濯乾燥機2台、2階建て14kg乾燥機3台、7kgの洗濯機が4台です。
機械と内装工事など含めると、コインランドリー店舗部分はおよそ1200万円の投資となりそうです。

借地権:1200万円+コインランドリー機械設置:1200万円+建物内外装補強工事:400万円+諸経費:200万円 = 3000万円(非常にざっくりキリ良く)

表面利回り = 840万円 ÷ 3000万円 = 28.0%

廃墟(失礼)の補強に400万円かけても、なかなかの利回りになりそうです。



借地権の物件に対する銀行の回答やいかに

自己資金に乏しいので、今回の案件も当然、メインバンクに融資の相談に持ち込みます。がぜん気になるのは「そもそも銀行は借地権物件に融資してくれるのか?」という点。

おいおい現地調査に行く前に、そこをまず確認しろよ」、と突っ込まれそうですが融資相談する時に「いや、実は自分も見たことないんですけど、金はかしてください」とは言えませんので。遅ればせながらメインバンクの融資担当者にご相談です。

僕:あのー、今度の物件はこちらの「借地権の店舗付木造2階建」なんですが、融資を検討いただけないでしょうか?出店費用も含めて3000万円が希望金額です。

銀行:借地権ですか…、融資はできない訳ではないです。過去に融資の実績はありますが、いくつか条件があります。地主さんに建物の抵当権設定に同意書を頂けるか、が大前提になります。

あの廃墟(だから失礼)に抵当権とな!

抵当権とは?
債務者が融資金額を返済できなくなった場合に、金融機関(債権者)によって行使される権利。抵当権を行使すれば、債権者は債務者のもつ物件を差し押さえ、競売に掛けることにより貸付金を回収することが可能となる。

実際に、差し押さえられて競売に掛けられたとして、あの廃墟(…)にどれだけの値段が付くかは不明ですが、銀行側のご要望ですので、地主さんに確認します、と持ち帰ることにしました。

業者を通じて地主さんに確認してもらったところ、土地に対しては抵当権設定はできないが、既存の建物に対してであれば、抵当権設定はOKという回答を頂きました。

おぉ、これで銀行が求める最低限のハードルはクリアできました。
では、肝心の融資はどのくらいの金額を検討してくれるのか、再度銀行に掛け合いに行こう…と思った矢先に、事態は急展開を迎えます。

なんと、別に買付をした方で売買契約が決まっちゃいました!終了のホイッスルー!ピー!
買付は2番目だった様で、1番目の希望者で交渉がまとまってしまった、との事です。

うーん、少なくても実際にどのくらい融資が付くかまでは知りたかったんですが、もう可能性がない物件に対してこれ以上銀行の担当者に汗をかいてもらう訳にもいかず、無念の撤退とあいなりましたとさ。

と、いう事でこんなオチですいませんが、これが現実です。

今回のまとめ

  1. 買付証明は早い者勝ち!早く動き判断できた者にのみ購入への扉が開く
  2. 借地権物件でも融資は検討の余地はあるらしい(ただし具体的な融資金額の確認には至らず)
  3. 木造の築古物件でも、条件があえばコインランドリーは開業できそう
  4. あの廃墟を誰がどうやって活用するのか興味がある(しばらくしたら視察に行ってみよう♪)



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コメント

  1. 無重力 より:

    今回も記事を楽しく読ませてもらいました!

    残念な結果になってしまいましたね。

    ブログ主様の言うとおり、銀行側がこちらの物件でどれだけ融資がおりるのかなど、

    経験値としてほしいところではありますね(笑)。

    知り合いのコインランドリーオーナーも数時間の電話の違いだけで物件を落としてしまったとも聞きます。

    わたしは候補地を数件挙げて、ここ空いたらいいのになー
    ってところを定期的に巡回したりして閉店情報をはやめに入手するしかないなぁと思いながら動いております。

    ご存知かもしれませんが開店閉店ドットコムなどの情報で事前に閉店情報もしれるので、こちらのサイトもなかなか使えますよー。

    よければまた見てみてくださいね!

    続報楽しみに待っております(笑)。

    • フクロウ より:

      コメントありがとうございます。
      数時間の差で手に入らなかったら、それは悔やまれますね。
      良い物件は市場に出てくる前に決まってしまうので、つぶさな情報収集と行動力が肝なんですね。
      銀行の想定融資額は把握しておきたいところですが、なかなか明言してくれないので難しいところです。
      開店閉店ドットコム、知りませんでした。閉店情報の中にコインランドリー向きの物件があるかもしれませんね、チェックしてみます。色々アドバイスありがとうございます。

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